- はじめに
- VARの意味
- いつから導入されたのか
- VAR担当はどこにいるのか
- VAR対象一覧
- ゴール判定
- PK判定
- 一発退場判定
- 選手誤認
- 半自動オフサイド技術とは
- なぜ数センチでもオフサイドになるのか
- AIとセンサー技術の進化
- VAR判定の流れ
- 主審がプレーを止める
- VAR担当が映像を確認
- オンフィールドレビューとは
- 最終的な判定
- 誤審を大幅に減らせる
- 公平性が向上する
- ビッグマッチで威力を発揮する
- VARのデメリット
- 試合が止まる
- ゴールの喜びが遅れる
- 判定基準が分かりにくい場合がある
- 日本対スペイン戦の「三笘の1ミリ」
- VARがなければどうなっていたのか
- 2026年大会でも注目される理由
- VARとGLTの比較
- ゴールラインテクノロジーとは
- VARは誤審を減らすための仕組み
- 全てのプレーを確認しているわけではない
- 最終判断は主審
- オフサイド判定にも活用される
- ワールドカップでは欠かせない存在
はじめに
サッカーワールドカップを見ていると、突然試合が止まり、
主審が耳に手を当てたり、ピッチ脇のモニターを確認したりする場面があります。
そのときに表示されるのが「VAR」です。
近年のワールドカップでは欠かせない存在となっていますが、
「VARって何?」
「なぜ試合が止まるの?」
「誰が判定しているの?」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
特にサッカー初心者の方にとっては、
ルールそのものよりもVARの仕組みのほうが難しく感じるかもしれません。
しかし、VARの基本を知っておくだけで、
ワールドカップ観戦は何倍も面白くなります。
この記事では、VARの意味や仕組み、どんな場面で使われるのか、
メリットやデメリットまで初心者向けにわかりやすく解説します。
ワールドカップのルールやグループリーグ突破条件について詳しく知りたい方は、
こちらの記事も参考にしてください。
▶ サッカーワールドカップ2026ルールをわかりやすく解説|勝ち点・順位決定・グループリーグ突破条件まとめ
VARとは何?
まずはVARの基本から見ていきましょう。
VARの意味
VARとは、
Video Assistant Referee(ビデオ・アシスタント・レフェリー)
の略称です。
簡単に言うと、
映像を使って主審の判定をサポートするシステム
のことです。
サッカーは非常にスピードの速いスポーツです。
主審や副審も人間ですから、どうしても見逃しや誤審が起こる可能性があります。
そこで導入されたのがVARです。
複数のカメラ映像を使い、重要な判定に間違いがないか確認します。
ただし、VAR自体が判定を下すわけではありません。
最終的な決定権はあくまでも主審にあります。
VARは主審を助けるための存在なのです。
いつから導入されたのか
VARがワールドカップで本格導入されたのは2018年ロシア大会です。
それ以前の大会ではVARはありませんでした。
実はワールドカップでは過去に数多くの誤審が問題になっていました。
有名なのが2010年南アフリカ大会です。
イングランド対ドイツ戦で、イングランドのシュートがゴールラインを
完全に越えていたにもかかわらず得点と認められませんでした。
このような誤審を減らすために導入が進められたのがVARです。
その後、
- 2018年ロシア大会
- 2022年カタール大会
- 2026年北中米大会
と継続して採用されています。
現在では世界最高峰の大会に欠かせないシステムとなっています。
VAR担当はどこにいるのか
テレビ中継を見ていると、VAR担当者の姿は見えません。
それもそのはずです。
VAR担当者はスタジアムのピッチ付近にはいません。
専用の映像室で複数のモニターを確認しています。
そこでは、
- VAR担当審判
- AVAR(アシスタントVAR)
- オフサイド担当
など複数人が映像をチェックしています。
ワールドカップでは数十台のカメラ映像を
同時に確認できる環境が整えられています。
主審が見逃したプレーがあっても、
VARチームが即座に確認できる仕組みになっているのです。
VARは何を判定するのか
ここは初心者の方が最も知りたいポイントです。
実はVARはすべてのプレーを確認しているわけではありません。
重要な場面だけに限定して使用されます。
VAR対象一覧
| 判定内容 | VAR対象 |
|---|---|
| ゴール | ○ |
| PK判定 | ○ |
| 一発退場 | ○ |
| 選手誤認 | ○ |
| CK判定 | × |
| FK判定 | × |
| スローイン | × |
つまり、
「試合結果に大きく影響する場面」
だけが対象になります。
ゴール判定
VARが最も多く使われるのがゴール判定です。
ゴールが決まったあとに、
「VARチェック中」
という表示を見たことがある方も多いでしょう。
これは得点が正しく認められるか確認している状態です。
例えば、
- オフサイドがなかったか
- ハンドがなかったか
- ファウルがなかったか
などを映像で確認します。
一見問題ないゴールに見えても、
その前のプレーで反則が見つかる場合があります。
その結果、ゴールが取り消されるケースもあります。
PK判定
PK(ペナルティキック)もVARの重要な対象です。
ペナルティエリア内で接触プレーがあると、
本当にファウルだったのか
を確認します。
例えば、
- 守備側が相手を倒した
- ハンドがあった
- 足を引っかけた
といった場面です。
主審が見逃した場合はVARが助言します。
逆に主審がPKを宣告したあとでも、
映像確認によって取り消される場合があります。
PKは1点につながる可能性が高いため、非常に慎重に判定されます。
一発退場判定
危険なプレーもVAR対象です。
特にレッドカードに値する行為は厳しく確認されます。
例えば、
- 悪質なタックル
- 肘打ち
- 暴力行為
などです。
主審が見逃していても、VARが確認し退場処分となる場合があります。
逆にレッドカードが厳しすぎると判断されれば取り消されるケースもあります。
選手人生を左右する重要な判定だからこそ、映像による確認が行われるのです。
選手誤認
意外と知られていないのが選手誤認です。
例えば乱戦の中で、
本来はA選手が反則したのにB選手へ警告を出してしまう
というケースがあります。
こうした場合、VARが映像確認を行い正しい選手へ修正します。
警告や退場は次の試合にも影響するため、非常に重要な役割を担っています。
VARとオフサイド判定の仕組み
VARが導入されてから、
サッカー観戦で最も話題になることが増えたのがオフサイド判定です。
近年では数センチ単位で判定が行われることもあり、
「厳しすぎるのでは?」
「本当にオフサイドなの?」
という声が上がることも少なくありません。
ここではオフサイドとVARの関係について見ていきましょう。
半自動オフサイド技術とは
2022年カタールワールドカップから導入されたのが
半自動オフサイド技術(SAOT)
です。
これはAIやセンサー技術を活用してオフサイド判定を補助するシステムです。
従来はVAR担当者が映像を見ながらラインを引いていました。
しかし現在はボールや選手の位置情報をリアルタイムで取得できます。
そのため以前よりも素早く、そして正確に判定できるようになりました。
2026年大会でもこの技術が活用されています。
なぜ数センチでもオフサイドになるのか
テレビ中継を見ていると、
「つま先が出ていただけでは?」
「肩が少し前だっただけでは?」
と思う場面があります。
しかしサッカーのルールでは、
得点できる部位が相手DFより前に出ていればオフサイド
となります。
つまり、
- 足先
- 肩
- 頭
などが対象になります。
逆に腕や手は得点できないため判定対象外です。
そのためほんの数センチの差でもオフサイドになることがあります。
これは厳しく感じるかもしれませんが、
同じ基準を全チームに適用することで公平性を保っているのです。
AIとセンサー技術の進化
現在のワールドカップでは複数のカメラが選手の動きを追跡しています。
さらにボール内部にもセンサーが搭載されています。
これにより、
- ボールが蹴られた瞬間
- 選手の位置
- オフサイドライン
を正確に計測できます。
かつては人間の目だけで判定していたことを考えると、
技術の進歩は驚くべきものがあります。
近年のワールドカップで誤審が大幅に減少した理由の一つが、
この技術革新なのです。
VARで実際に判定が覆る流れ
次に、VARがどのように使われているのかを見ていきましょう。
テレビ中継を見ていると突然試合が止まることがあります。
その裏側では次のような流れで判定が行われています。
VAR判定の流れ
プレー発生
↓
VAR担当が映像確認
↓
主審へ連絡
↓
オンフィールドレビュー
↓
最終判定
主審がプレーを止める
まず問題となるプレーが発生します。
例えば、
- ゴール
- PKの可能性
- 危険なタックル
などです。
VAR担当者はすぐに映像確認を開始します。
この時点では試合が続く場合もあります。
VAR担当が映像を確認
VARルームでは複数の角度からプレーを確認します。
テレビ中継では見えない映像も含めてチェックされます。
ここで明らかな誤審が見つかると、主審へ連絡が入ります。
逆に問題がなければ試合はそのまま続行されます。
オンフィールドレビューとは
VARの象徴的な場面が
オンフィールドレビュー
です。
主審がピッチ脇のモニターを確認する場面を見たことがある方も多いでしょう。
この時、主審は自分の目で映像を確認しています。
重要なのは、
VARではなく主審が最終判断を下す
という点です。
VARはあくまでも補助役です。
判定を決めるのは主審なのです。
最終的な判定
映像確認後、
- ゴール認定
- ゴール取り消し
- PK
- PK取り消し
- レッドカード
- 警告修正
などの判定が下されます。
これによって試合の流れが大きく変わることもあります。
そのためワールドカップではVAR確認のたびにスタジアム全体が緊張感に包まれます。
VARのメリット
ではVARにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
誤審を大幅に減らせる
最大のメリットはこれです。
サッカーでは1つの判定が勝敗を左右します。
過去には誤審によって涙をのんだチームも少なくありませんでした。
VARによって映像確認ができるようになり、明らかなミスは大幅に減少しました。
選手や監督にとっても非常に大きなメリットです。
公平性が向上する
ワールドカップは世界最高峰の大会です。
だからこそ公平性が求められます。
VARによって
「見逃された」
「主審の位置が悪かった」
という問題が減りました。
どの国にも同じ基準が適用されるため、公平な大会運営につながっています。
ビッグマッチで威力を発揮する
決勝戦や決勝トーナメントでは一つの判定が歴史を変えることがあります。
VARがあることで重要な試合ほど正確な判定が期待できます。
世界中の注目を集めるワールドカップだからこそ、
VARの価値は非常に大きいと言えるでしょう。
しかしVARにはメリットだけでなく、批判される部分もあります。
VARのデメリット
ここまでVARのメリットを見てきました。
しかしVARは万能ではありません。
実際には批判されることもあります。
ここではVARのデメリットについても見ていきましょう。
試合が止まる
最もよく指摘されるのが試合の中断です。
サッカーの魅力の一つは流れるような試合展開です。
しかしVAR確認が入ると試合が数十秒から数分間止まることがあります。
選手の集中力が途切れることもありますし、
スタジアムの熱気が一時的に冷めてしまう場合もあります。
特にワールドカップのような大舞台では、
その数分が非常に長く感じられることもあります。
ゴールの喜びが遅れる
以前であればゴールが決まった瞬間に選手も
サポーターも思い切り喜ぶことができました。
しかし現在は
「VAR確認中」
という表示が出ることがあります。
そのため、
「本当に得点なのか」
を待つ時間が生まれます。
サポーターの中には、
「昔の方が純粋に喜べた」
と感じる人もいます。
判定基準が分かりにくい場合がある
VARがあっても議論がなくなるわけではありません。
例えばハンドの判定です。
同じような場面でも、
- PKになる場合
- PKにならない場合
があります。
これは競技規則の解釈が関係するためです。
映像があっても100%全員が納得する判定になるとは限りません。
そのためVAR導入後も議論は続いています。
ワールドカップで話題になったVAR判定
VARと言えば、多くの日本人サポーターが思い出す場面があります。
VARは試合結果を左右する重要な技術です。
実際にワールドカップではVAR判定が勝敗やグループ順位に
影響を与えるケースも少なくありません。
▶ W杯2026優勝予想完全版|データで見る最強国と日本の勝率【決定版】
日本対スペイン戦の「三笘の1ミリ」
2022年カタールワールドカップの日本対スペイン戦です。
三笘薫がゴールライン際で折り返したボールから田中碧が決勝ゴールを決めました。
しかし一見するとボールはラインを割っているように見えました。
そのためVAR確認が行われました。
結果は、
ボールは完全にはラインを割っていない
と判定されました。
わずか数ミリの差だったことから、
「三笘の1ミリ」
として世界中で話題になりました。
このプレーはVARと最新技術の象徴的な場面と言えるでしょう。
VARがなければどうなっていたのか
もしVARがなければ、このゴールは取り消されていた可能性があります。
そうなれば日本代表はグループリーグ敗退だったかもしれません。
逆に言えば、VARによって正しい判定が行われたとも言えます。
この試合はVARの重要性を多くの人に認識させるきっかけとなりました。
2026年大会でも注目される理由
2026年大会は48か国が出場する史上最大規模のワールドカップです。
試合数も104試合に増加しています。
それだけ重要な判定の数も増えることになります。
決勝トーナメントでは1つの判定が優勝国を左右する可能性もあります。
そのためVARは今大会でも大きな注目を集めるでしょう。
VARとゴールラインテクノロジーの違い
初心者の方が混同しやすいのが、
VARとゴールラインテクノロジー(GLT)
です。
実は全く別の技術です。
VARとGLTの比較
| 項目 | VAR | ゴールラインテクノロジー |
|---|---|---|
| 目的 | 映像確認 | ゴール判定 |
| 判定対象 | ゴール・PK・退場など | ゴールラインのみ |
| 人の判断 | あり | なし |
| 判定時間 | 数十秒〜数分 | 数秒以内 |
| 主審確認 | 必要な場合あり | 不要 |
ゴールラインテクノロジーとは
ゴールラインテクノロジーは、
ボールが完全にゴールラインを越えたか
を判定するシステムです。
判定結果は即座に主審の腕時計へ送信されます。
そのため試合を止める必要がありません。
VARと違い、人間が映像確認をするわけではないのです。
初心者が覚えておきたいVARのポイント
ここまで読んでいただければ、VARの基本は十分理解できると思います。
最後に初心者の方が覚えておきたいポイントをまとめます。
VARは誤審を減らすための仕組み
VARの最大の目的は誤審を減らすことです。
主審のミスを責めるためではありません。
より正確な判定を実現するためのサポートシステムです。
全てのプレーを確認しているわけではない
VARは重要な場面だけを確認します。
ゴールやPKなど、試合結果に大きく影響する場面に限定されています。
最終判断は主審
VAR担当者が決めるわけではありません。
最後に判定するのは主審です。
この点は非常に重要です。
オフサイド判定にも活用される
現在のワールドカップではAIやセンサー技術も活用されています。
そのため以前より正確なオフサイド判定が可能になっています。
ワールドカップでは欠かせない存在
世界最高峰の大会だからこそ、公平性が求められます。
VARは現代サッカーにおいて欠かせない存在になっているのです。
ワールドカップ観戦をさらに楽しみたい方は、ルールや大会の仕組みについても理解しておくのがおすすめです。
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まとめ
VARとはVideo Assistant Refereeの略で、映像を活用して
主審の判定をサポートするシステムです。
ワールドカップでは2018年ロシア大会から本格導入され、
現在では欠かせない技術となっています。
VARはゴール判定やPK判定、一発退場など重要な場面で使用されます。
また、半自動オフサイド技術やAIの導入によって判定精度はさらに向上しています。
一方で試合が中断することや、判定基準が分かりにくいという課題もあります。
それでも誤審を減らし、公平な試合運営を実現するという点で
VARの価値は非常に大きいと言えるでしょう。
ワールドカップ観戦中にVARチェックが行われたら、
ぜひ「何を確認しているのか」にも注目してみてください。
ルールを理解することで、サッカー観戦はさらに面白くなるはずです。

