グループリーグ首位突破を懸けた日本代表とスウェーデン代表の一戦は、
1-1の引き分けという結果に終わりました。
日本は後半11分、堂安律のラストパスを前田大然が決めて先制。
しかし、その6分後にスウェーデンの反撃を受けて同点に追いつかれ、
最後まで勝ち越しゴールを奪うことはできませんでした。
森保ジャパンは勝ち点1を積み上げ、グループ2位で決勝トーナメント進出を
決めましたが、目標としていた首位突破にはあと一歩届きませんでした。
では、日本はなぜ勝ち切ることができなかったのでしょうか。
この記事では、試合を振り返りながら「勝ち切れなかった3つの理由」を
戦術面から詳しく分析します。
H2 試合結果まとめ
まずは試合結果を振り返ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試合結果 | 日本 1-1 スウェーデン |
| 前半 | 0-0 |
| 得点 | 前田大然(後半11分) |
| 失点 | エランダ(後半17分) |
| グループ順位 | 2位 |
| 次戦 | ブラジル(決勝トーナメント1回戦) |
日本はグループリーグ最終戦で勝てば首位通過となる可能性がありましたが、
スウェーデンの粘り強い守備と終盤の攻勢を崩し切れず、勝ち点1で試合を終えました。
一方、同組のオランダが首位通過を決め、日本は2位で決勝トーナメントへ進出します。
次戦では優勝候補のブラジルとの対戦が決定しました。
H2 森保監督が3人を変更した狙い
森保一監督はチュニジア戦からスタメンを3人変更してスウェーデン戦に臨みました。
基本システムはこれまでと同じ3-4-2-1を継続しながらも、
サイドと前線の構成を変えることで、より攻撃的な姿勢を打ち出しました。
右サイドには堂安律、左には菅原由勢を起用し、前線には上田綺世、その後方に
前田大然と鎌田大地を配置。中盤では田中碧がゲームメークを担い、
日本らしいパスワークと素早い攻守の切り替えで主導権を握る狙いがあったと考えられます。
また、前田大然をシャドーで起用したことも大きなポイントでした。
前田の武器はスピードだけではありません。
前線から激しくプレッシャーをかけ、
相手のビルドアップを妨害できる守備力も大きな魅力です。
スウェーデンは高さとフィジカルを生かした攻撃だけでなく、
後方から丁寧につなぐ場面も多いチームです。
そのため、森保監督は前田の運動量を生かし、
相手DFに自由を与えない戦い方を選択したのでしょう。
実際、前半は日本も高い位置からプレッシャーをかけ、
スウェーデンに思うような攻撃をさせない時間帯もありました。
しかし、試合が進むにつれてスウェーデンがシステムを変化させ、
日本は徐々に対応を迫られることになります。
H2 理由① スウェーデンのシステム変更に苦しんだ
今回の試合で最も大きかったポイントは、
スウェーデンが試合中にシステムを柔軟に変化させたことです。
前半のスウェーデンは3トップ気味の配置を採用し、
日本の3バックに対して積極的にプレッシャーをかけてきました。
これにより、日本は後方から落ち着いてボールをつなぐ場面が少なくなり、
中盤でも自由にパスを回せない時間が続きます。
特に田中碧や鎌田大地がボールを受ける前にプレッシャーを受ける場面が多く、
日本はテンポの良い攻撃を組み立てられませんでした。
さらに前半38分には板倉滉が負傷交代するアクシデントも発生します。
急きょ谷口彰悟が投入されましたが、守備ラインの連係を修正する時間は限られており、
日本は守備に集中する時間が増えていきました。
後半に入ると、スウェーデンはさらに攻撃的な姿勢を見せます。
前線の人数を増やし、4トップ気味とも言える形へシフトすると、
日本の最終ラインは押し下げられ、サイドにも広いスペースが生まれました。
日本は懸命に守りましたが、ボールを奪っても前線まで運ぶことができず、
自陣で耐える時間が長くなります。
もちろん、日本の守備陣は最後まで集中を切らさず大きく崩れることはありませんでした。
しかし、試合全体を見ると、スウェーデンのシステム変更に完全には対応し切れなかったことが、
勝ち切れなかった最大の要因だったと言えるでしょう。
H2 理由② 日本がボールを支配できなかった
日本が勝ち切れなかった2つ目の理由は、中盤でボールを保持する時間が少なく、
自分たちのリズムで試合を進められなかったことです。
これまでのグループリーグでは、日本は中盤でボールを落ち着かせながら
試合をコントロールする時間帯がありました。
しかし、この日はスウェーデンのプレッシャーが想像以上に強く、
田中碧や鎌田大地が前を向いてプレーする場面は多くありませんでした。
特に前半は、ボールを奪ってもすぐに相手のプレッシャーを受け、
思うように攻撃へつなげられないシーンが目立ちました。
本来の日本は細かいパスワークで相手を動かし、
サイドチェンジやテンポの良い攻撃でチャンスを作るチームです。
しかし、この試合ではスウェーデンの守備ブロックを崩し切れず、
ボールを保持する時間よりも守備に追われる時間の方が長く感じられました。
もちろん、スウェーデンは世界でもフィジカルの強いチームの一つです。
その相手に対して最後まで失点を最小限に抑えたことは評価できますが、
日本らしい試合運びができなかったことは事実でしょう。
また、後半になるとスウェーデンは攻撃時の人数を増やし、
日本はさらに押し込まれる展開となりました。
特に後半20分以降は、日本が自陣へ押し込まれる時間帯が続きました。
スウェーデンは前線へ人数をかけ、日本は最終ラインが下がる苦しい展開になります。
ボールを奪っても前線で収めることができず、攻撃へ転じる回数も限られました。
この時間帯をどう乗り切るかは、ブラジル戦でも重要なテーマになるでしょう。
H2 理由③ 勝負どころで追加点を奪えなかった
日本が勝ち切れなかった3つ目の理由は、先制した後に試合を決定づける
追加点を奪えなかったことです。
試合が動いたのは後半11分でした。
堂安律が右サイドから絶妙なパスを送り、そのボールに前田大然が素早く反応。
冷静にゴールへ流し込み、日本が待望の先制点を奪います。
日本にとって理想的な形でリードを奪っただけに、
この時間帯でもう1点を奪えていれば、試合展開は大きく変わっていたかもしれません。
しかし、スウェーデンは失点後も慌てることなく攻撃の圧力を強め、
日本に反撃の隙を与えませんでした。
後半17分にはエランダのミドルシュートで同点に追いつかれ、
試合は再び振り出しに戻ります。
日本も伊東純也や小川航基を投入して攻撃の活性化を図りましたが、
スウェーデンの守備を最後まで崩すことはできませんでした。
終盤にはスウェーデンが4トップ気味の形で勝ち越しを狙い、
日本は守備に人数を割く時間が続きます。
結果的に、日本は試合終盤に自分たちのペースへ持ち込めず、
勝ち越しゴールを奪うことはできませんでした。
ワールドカップのような短期決戦では、
先制した後の試合運びが勝敗を大きく左右します。
今回の試合は、その難しさを改めて感じさせる内容だったと言えるでしょう。
H2 前田大然のゴールは日本最大の収穫
勝ち切れなかった一方で、日本にとって明るい材料もありました。
それが前田大然の今大会初ゴールです。
後半11分、堂安律からのラストパスに鋭く反応し、
相手守備陣より一歩早くゴール前へ飛び込んだプレーは、
日本らしいスピードを生かした理想的な得点でした。
前田はゴールだけでなく、前線からの守備でも大きな存在感を発揮しました。
相手DFへ何度もプレッシャーをかけ続け、
スウェーデンに自由なビルドアップを許さなかった時間帯もあります。
得点という結果に加え、攻守両面でチームへ貢献したことは高く評価できるでしょう。
また、このゴールをアシストした堂安律の判断力も見逃せません。
相手守備のわずかな隙を見逃さず、
前田が最も生きるスペースへ正確なラストパスを送った場面は、
日本代表の連係の良さが表れたプレーでした。
決勝トーナメントでは、こうした一瞬の連係が勝敗を分ける可能性があります。
ブラジル戦でも、
今回のような素早い攻撃をどれだけ再現できるかが大きなポイントになりそうです。
H2 森保監督のコメントから見える課題
試合後、森保一監督は、
「勝って1位で通過したかった。」
と悔しさをにじませました。
この一言には、引き分けで決勝トーナメント進出を決めたことへの安堵よりも、
首位突破を逃したことへの強い悔しさが表れています。
実際、この日の日本は守備では最後まで粘り強く戦いましたが、
試合全体を通してスウェーデンに押し込まれる時間帯が多く、
自分たちのリズムで試合を進めることはできませんでした。
森保監督も、
先制しながら勝ち切れなかった試合内容には少なからず課題を感じているはずです。
一方で、
日本はグループリーグ3試合で大きく崩れることなく決勝トーナメント進出を果たしました。
守備の組織力やチーム全体の運動量は今大会でも十分に通用しており、悲観する必要はありません。
ただ、ブラジルのような世界トップクラスの相手と対戦するためには、
スウェーデン戦で見えた課題を修正することが欠かせません。
特に中盤でボールを保持する時間を増やし、
相手に押し込まれる展開を減らせるかどうかが大きなポイントになります。
森保監督がこの試合で得た経験をどのようにブラジル戦へ生かすのか。
決勝トーナメント初戦では、戦術面や選手起用も含めた采配に大きな注目が集まります。
H2 ブラジル戦へ向けた3つの課題
グループリーグを2位で突破した日本ですが、
決勝トーナメント1回戦では優勝候補のブラジルと対戦します。
世界屈指の攻撃力を誇る相手に勝利するためには、
スウェーデン戦で見えた課題を短期間で修正する必要があります。
ここでは、日本がブラジル戦までに改善したい3つのポイントを考えてみます。
H3 中盤でボールを保持する時間を増やしたい
スウェーデン戦では、中盤で落ち着いてボールを保持する時間が少なく、
自分たちのリズムで試合を進めることができませんでした。
ブラジルはスウェーデン以上に個々の技術が高く、
ボールを失う回数が増えれば、それだけ守備に追われる時間も長くなります。
田中碧や鎌田大地を中心に、
中盤でパスをつなぎながら試合のテンポを作ることが重要になるでしょう。
守備だけで90分間耐え続けることは難しいため、
自分たちがボールを持つ時間を増やすことが勝利への第一歩になります。
H3 サイドの攻防で主導権を握れるか
ブラジルはサイドからの突破力が非常に高く、
日本のウイングバックには攻守両面で大きな負担がかかります。
スウェーデン戦でも終盤はサイドを押し込まれる場面が多く見られました。
ブラジル戦では守備だけを意識するのではなく、堂安律や菅原由勢、
中村敬斗などが積極的に攻撃参加し、相手を自陣へ押し返す時間を作ることが必要です。
攻撃が最大の守備になる場面も少なくないでしょう。
日本らしいスピードを生かしたサイド攻撃が機能すれば、
ブラジル相手でも十分にチャンスは生まれるはずです。
H3 決定機を確実に得点へつなげたい
ワールドカップの決勝トーナメントでは、
数少ないチャンスを決め切れるかどうかが勝敗を左右します。
スウェーデン戦では前田大然が先制点を奪いましたが、
その後に追加点を決めることができませんでした。
ブラジルのような強豪相手では、
訪れるチャンスはさらに少なくなると考えられます。
そのため、上田綺世や前田大然、中村敬斗を中心に、
一度の決定機を確実に得点へ結び付ける高い集中力が求められます。
攻撃陣だけでなく、
セットプレーを含めた得点パターンを増やすことも重要なポイントになるでしょう。
H2 日本はブラジルに勝てるのか?
決勝トーナメント1回戦で、
日本代表は優勝候補ブラジルとの大一番に臨みます。
戦力だけを比較すれば、ブラジルが有利という見方は多いでしょう。
しかし、ワールドカップは一発勝負の大会であり、
必ずしも戦力差だけで勝敗が決まるわけではありません。
日本が勝利するためには、
スウェーデン戦で見えた課題を改善することが重要です。
特に中盤でボールを保持する時間を増やし、
相手に押し込まれる時間を減らせるかが大きなポイントになります。
また、前田大然や中村敬斗のスピードを生かしたカウンター攻撃、
そしてセットプレーで得点機を作れるかも勝敗を左右するでしょう。
ブラジルは個人技に優れた世界屈指の強豪ですが、
日本には組織力と運動量という大きな武器があります。
守備の集中力を90分間維持し、訪れた決定機を確実に決め切ることができれば、
世界を驚かせる結果を残す可能性は十分あります。
森保ジャパンがどのような戦術でブラジルに挑むのか。
決勝トーナメント屈指の注目カードから目が離せません。
H2 まとめ
日本代表はスウェーデンと1-1で引き分け、グループリーグを2位で終えました。
勝利こそ逃しましたが、決勝トーナメント進出という最低限の目標は達成しています。
今回の試合を振り返ると、勝ち切れなかった理由は次の3つに集約できるでしょう。
- スウェーデンが試合途中で3トップから4トップ気味へシステムを変え、日本が対応に苦しんだこと
- 中盤でボールを保持する時間が少なく、自分たちのリズムを作れなかったこと
- 先制点を奪いながら追加点を決め切れず、試合を優位に進められなかったこと
一方で、堂安律から前田大然への先制ゴールは、
日本らしいスピードと連係が光る素晴らしい得点でした。
守備陣も押し込まれる時間が長い中で最後まで集中力を切らさず、
大量失点を防いだことは評価できます。
決勝トーナメントでは、いよいよ優勝候補ブラジルとの大一番が待っています。
ブラジルは世界最高レベルの個人技と攻撃力を持つチームですが、
日本もここまで積み上げてきた組織力と粘り強い守備があります。
スウェーデン戦で見つかった課題を一つずつ修正し、
日本らしいアグレッシブなサッカーを取り戻すことができれば、
世界を驚かせる試合を見せてくれる可能性は十分にあります。
グループリーグは終わりましたが、本当の戦いはここからです。
森保ジャパンがブラジルを相手にどのような戦術を選び、
どのような戦いを見せるのか。
日本サッカーの新たな歴史が生まれる瞬間を期待しながら、
決勝トーナメントを見守りたいと思います。
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